BECOME A BARISTA
バリスタ(barista)はイタリア語で、「バール(bar)でサービスをする人」のことを言います。イタリアのバールは、日本のバーとカフェを合わせたようなお店のことで、「バールでエスプレッソなどのコーヒー類をメインで提供する職業」をバリスタと呼びます。バーのバーテンダー、ワインのソムリエのように、バリスタはコーヒーに関するスペシャリストです。
先ほど述べた通り、バリスタとはコーヒーを専門的に扱う職業です。お客様の注文に応じてエスプレッソ、カプチーノなどのおいしいコーヒーを提供することが主な役割です。バリスタは高度なコーヒーの知識を持ち、さまざまな技術を駆使してお客様に最高のコーヒーを提供します。
美味しいコーヒーを提供するため、コーヒー豆の選定・粉挽きの技術・フロータイム(コーヒーを淹れる時間)・テイスティング・エスプレッソの抽出方法やエスプレッソマシーンのメンテナンス・ミルクの泡立て方・ラテアート・コーヒーに合うフードメニューの開発など、さまざまな知識と技術が必要です。
そのほかに、注文の受付、接客サービス、店内清掃も行います。お客様とのコミュニケーションも、バリスタにとって大切な役割の一つです。
バリスタ単独の年収データはありませんが、令和5年厚生労働省職業分類によると、飲食料品販売店員等の分類で全国平均年収が361万円、令和4年のハローワーク求人統計データによると、求人賃金月額の全国平均は22.4万円となっています。
おおよそ200〜400万円ほどがボリュームゾーンです。というのも、正社員やパート・アルバイトなど雇用形態や企業規模、地域によって異なるためです。
バリスタとして働くためには二つの方法があります。一つ目は、専門学校やスクールに通って知識や技術を習得し、バリスタとして働く店舗に就職する方法。二つ目は、修行に時間はかかりますが、さまざまな店舗で働きながら経験を積んでバリスタになる方法です。
バリスタとして基本的な知識やスキルとして、コーヒーに関する知識やエスプレッソを淹れる技術を一から学ぶ必要があります。コーヒーは非常に奥深いもので、たとえ同じ豆でも焙煎方法や、その日の気温、湿度によって味が変わります。こうした繊細なコーヒー豆を正しく扱うために、しっかりと時間をかけて豆の特徴やコーヒーを淹れる知識と技術を自分のものにしていく必要があります。
バリスタ未経験からスタートする場合、どちらかというと一つ目の専門学校やスクールに通う人が多いようです。専門学校やスクールでは、コーヒーやエスプレッソの基礎から、バリスタとしてあるべき姿まで学ぶことができます。また、専門学校ではカフェ経営についても学べるので、経験を積んだのちに独立や開業を目指す場合の、必要な知識も得ることができます。
バリスタには国家資格はなく、何か特別な資格がなければ働けないという職業ではありません。しかし、バリスタになるためにはコーヒーに対する深い知識と技術はもちろん、上質なサービスを提供するプロフェッショナルとしての知識と技術が必要です。
バリスタに関連する資格として有名なのは、
の2つで、どちらも民間の団体が認定する資格ですが、各団体が定める講座を受講し、カリキュラムを修了して認定試験に合格することで、それぞれの資格を取得できるという流れです。
もともと海外発祥のバリスタですが、近年は日本でも職業として定着してきています。第一線で活躍するバリスタたちは、自らのスキルを客観的に把握したりスキルアップしたりすることを目的に、バリスタに関わる資格取得を目指す人もいます。資格を持っていることで、このバリスタはこれだけの腕があるとお客様から信頼を得ることができ、集客にも役立ちます。
バリスタの需要は、コーヒーに対する人気と共に日本でもますます高まっています。コーヒー専門店やカフェが増え、高品質なコーヒーを求めるお客様も増加傾向です。
さらにカフェやコーヒー専門店だけでなく、ホテルやレストランでも活躍の場が広がっています。コーヒー業界自体も成長しており、バリスタの需要は今後も安定した状態が続くことが見込まれています。
バリスタに大切なのは、今よりも上を目指そうという向上心と、コーヒーについてもっと学びたい、バリスタとしての道をきわめたいという探求心です。また、コーヒーを通じてお客様を喜ばせたいという気持ち、接客業務を行うためのコミュニケーション能力、お客様が求めるサービスを察するホスピタリティーの精神も必要な要素です。