BECOME A FOOD COORDINATOR
フードコーディネーターとは文字通り、食に関わる仕事に携わる人たちです。具体的な仕事内容は多岐にわたります。テレビや雑誌などメディアに登場する料理のレシピを考案したり、実際に調理したりします。レシピは依頼の内容に合わせて検討し、調理方法も解説するのです。レシピは雑誌や料理関係の書籍、スーパーなどに置かれているレシピカードなどで紹介され、Webサイトに掲載される場合もあります。
また撮影用の料理を作るのも、フードコーディネーターの仕事の一部です。ただ単に料理を作るだけでなく、よりおいしく映えるようにテーブルクロスや食器などのレイアウトも考案しなければなりません。スタイリングセンスが要求される業務です。料理する際にはその下準備も自らこなさなければいけないので、食材の買い出しや、食器などの小物のレンタルなどの手配も担当します。
フードコーディネーターの中には独立して活動している人も少なくありません。そして食品メーカーと提携して、コンサルティング業務を行っている人も見られます。顧客の要望に応じてレシピを考案したり、企業の商品開発に関わったりするわけです。コンビニやスーパーで販売する弁当や総菜のメニューを考案している人も見られます。
フードコーディネーターの気になる年収は、全体を平均すると550万円程度になります。年齢が上になり、経験を積み重ねるほど年収は高くなっていく傾向です。ピークは40代後半で、平均年収は700万円弱です。全業種の平均と比較して、かなりの高年収と言えます。
ただし注意しなければならないのは、フードコーディネーターはフリーランスとして活動しているケースが多い点です。頑張ってさまざまな案件を受注できる売れっ子になれば、年収1,000万円超になることも珍しくありません。一方でなかなか仕事に恵まれないと、平均年収よりもかなり低い稼ぎしか得られない可能性もあります。
フードコーディネーターになるためには国家資格など、必須の条件はとくにありません。また年齢制限なども設けられていないので、何歳からでもフードコーディネーターにチャレンジできるのも特徴です。ただし食に関する専門的な知識が要求されるので、栄養系の大学・短大や調理系やフードビジネスなど食品関係の専門学校を卒業している人が多いのも事実です。
卒業後はまず、食品メーカーや外食産業などの企業に就職するパターンが多いです。そこで店舗運営や商品開発の現場を経験していき、フードコーディネーターの仕事につなげていくわけです。中には十分実績を積んだと思った段階で独立を果たす人も見られます。
最近ではSNSなどで個人的に投稿し、インフルエンサーとして人気が出る人も多いです。
フードコーディネーターになるために必須の資格はありません。ただし資格取得しておいた方が好ましいものもあります。資格があれば、フードコーディネーターに関する専門知識を有していることの証明になるからです。
フードコーディネーターになるために有利に働く資格として、フードコーディネーター資格があります。こちらは日本フードコーディネーター協会が主催する民間資格です。1〜3級と段階別に試験が用意されていて、1級資格を取得すれば、プロのフードコーディネーターとして活動できるだけのレベルにあると客観的に証明できます。
フードコーディネーターは将来性のある職種と言って良いでしょう。まず世間一般に食への関心が高まっているからです。ただおいしく食事をするだけでなく、健康や美容ケアができる料理に対する関心も高まっています。
またフードコーディネーターは、今後AIに仕事をとられるリスクが低いのも、将来性があると言われる理由の一つです。食事の提案で場面に合わせたメニューや色の組み合わせなどは、AIで数値化・自動化して提案できるかもしれません。しかし料理を組み合わせて献立を考案したり、撮影時の小物のコーディネートなどはセンスが問われるものです。数値化できる問題ではないので、AIと競合する可能性は低いでしょう。
SNSを通じてだれでも情報発信しやすくなっているのも、フードコーディネーターの活躍する土壌が広がっている理由の一つです。アイデア次第ではありますが、自分で考案したメニューやレシピを紹介することで、世界的な注目を集める可能性があります。
フードコーディネーターに向いているのは、何といっても料理好きであることです。料理は今後も新しいメニューや技術が出てくるでしょう。最新の情報をいち早くキャッチし、勉強して身につけるような、知的好奇心が求められる世界です。またコミュニケーションスキルも必要になります。フードコーディネーターは一人で成り立つ仕事ではなく、カメラマンや編集者、仕入れ先、クライアントと連携してはじめて成立する仕事です。コミュニケーションをとってクライアントの希望をくみ取り、情報を共有して進めることが求められます。
またフードコーディネーターは勤務時間や休日の不規則なところが見受けられます。複数の案件で、しかも納期が近ければ、長時間労働や休日出勤なども必要になるでしょう。ハードスケジュールに耐えうる、意外と体力が必要な職種です。
フードクリエイト学科では、フードコーディネーターになるために必要な知識やスキルを身につけることができます。その中でも、カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカという、世界最大の料理学校との提携により、食育はもちろんのこと、企画や製造、接客までトータルで学習できるカリキュラムが設定されています。食に関する仕事に携わりたいと思っている人にはおすすめの学科です。
他にも数多くの企業や団体と提携していて、地域イベントで生徒の考案したメニューの販売や学内でのランチメニュー販売なども行っています。企画提案力や接客でのコミュニケーションスキルなど、フードコーディネーターになるために必要な実践の力を養えます。