BECOME A VEHICLE MECHANIC
電車の車両整備士の仕事は、鉄道車両とその関連設備の点検、保守、修理です。まさに、鉄道運輸業界における安全運行の基盤を支える重要な役割を果たしている職種です。
鉄道の運行に関わる鉄道営業法では、車両などの定期検査が義務付けられています。そのため、鉄道会社には鉄道や車両の「定期的な点検とメンテナンス」「故障診断と修理」などが課せられており、それを担うのが車両整備士です。
車両の定期的な点検を行い、故障がないか、摩耗している部品はないかなどを確認。また、ブレーキシステム、動力伝達装置、電気系統、車輪と軸受、空調装置など、車両を構成する各システムの機能をチェックし、必要に応じて調整、清掃、または部品の交換を行います。
故障診断と修理車両やそのシステムが正常に機能しない場合には、原因を特定するための故障診断を行います。故障の原因が特定できたら、適切な修理方法を選択し、修理作業を実施します。
車両故障による運行ダイヤの乱れは乗客だけでなく、駅員や運転士など周りのスタッフにも負担となるため常に気をつけて仕事を行う必要がありますが、日本の鉄道を支える大変やりがいのある仕事です。
鉄道会社では、新卒社員の年収が約240万〜300万円ほど。
車両整備士は技術職であり、就職先企業でキャリアアップをしたり資格取得などをすることで、年収が上がっていきます。
電車の車両整備士になるためには、専門的な知識と技術が必要です。多くの場合、機械工学・電気工学・電子工学など工業系の学部・学科に在籍していたり、理系科目に強いことが望まれます。
専門学校であれば鉄道車両整備に特化した学科を設置している学校があります。車両整備に必要な専門知識と技術を学ぶことができることに加え、様々な資格取得ができたり、キャリアデザインに関する授業もあります。専門学校は就職のサポートが充実しているところも多いですし、鉄道会社でのインターンシップ(在学中から実際に企業で研修すること)がある専門学校もあります。
その後鉄道会社の求人情報に応募し、書類選考や面接などの選考プロセスを経て採用されます。専門学校で業界の知識や一般常識について学んでおくと、入社の際の応募動機が明確にできたり、入社後の仕事への理解や仕事内容の飲み込みが早く、即戦力として活躍することができるでしょう。。
各種鉄道会社の車両整備士の募集に関して、特定の資格は必要ありません。同じ「整備士」という職種でも、自動車に関わる「自動車整備士」や航空機に関わる「航空整備士」が国家資格が必要であることに対して、電車に関わる「車両整備士」は誰にでもチャンスがあるという点では目指しやすいといえるかもしれません。
「電気工事士」などの資格を持っていると就職時のアピールに役立つでしょう。
また鉄道会社入社後に、仕事を覚えて一定のスキルを獲得した上で、資格試験などを受けるケースもあります。一例として、「鉄道車両製造・整備技能士」という国家資格があります。これらは実務経験が必要ですが、取得することで、さらなるスキルアップや年収アップ、昇進につながる可能性があります。