BECOME A GROUND HANDLING
空港では、一日に何便もの航空機がフライトします。世界でも有数のフライト数を誇る羽田空港では、4本の滑走路と3カ所の旅客ターミナル合計で1日に約1000回も離発着があるほど!
そうした航空機の離着陸を操作し、円滑な空港の運用に関わるのがグランドハンドリングです。「マーシャラー」「 トーイング 」「 エアカーゴスタッフ」等とも呼ばれます。
主な業務としては滑走路上の航空機の誘導や安全確認、ドアの開閉、機体清掃、機内清掃、手荷物の積み下ろしなどがあり、グランドハンドリングのスタッフが役割分担しながら業務を担っています。
キャビンアテンダントやグランドスタッフとは違い、直接乗客と接する機会は少ない仕事ですが、時刻通りに安全に飛行機の運行を行うため航空業会には欠かせない仕事です。
業務によっては腕力や体力が欠かせない仕事もありますが、飛行機を間近で見て触れられる、空港という大きな舞台で業務に関わるダイナミックな仕事であるなどのやりがいがあり、航空機好きに支持される仕事でもあります。
企業によって異なりますが、日系企業でグランドハンドリングになるには、高等専門学校、専門学校、短期大学・大学・大学院のいずれかの卒業資格が必要な場合が多いです。
学科が指定されていることがありませんが、専門学校では、在学中にグランドハンドリングの基礎や航空業界の知識を身につけるので、就職の際に即戦力として活躍できるスキルを持っているとアピールできるでしょう。
就職活動では、グランドスタッフの業務を専門的に請け負うハンドリング会社(主に空港やエアライン会社の子会社・グループ会社など)に応募し、グランドハンドリングスタッフとして採用をめざします。
入社後しばらくは機内清掃や荷物の仕分け・積み下ろし業務などを担当し、研修を経て資格を取得後、搭乗橋の操作や航空機誘導といった業務を行うことができます。
グランドハンドリングの年収は、全国平均で約491万円。ただし、東京都の場合は約600万円ほどと、利用客数の多い空港で働く場合は収入も高い傾向です。※厚生労働省提供 職業情報提供サイト「job tag」調べ
また正社員であれば賞与が年に2〜3回あります。グランドハンドリング業務はシフト勤務が多いのが特徴です。深夜や早朝の勤務、休日出勤などもあるため、手当が支給されることが一般的です。
入社にあたっては、「普通運転免許」が必要とされていることが多いです。免許がないと空港内を車両で走行できず、業務が限られてしまうためです。また、ガソリン、灯油、軽油などを扱うことができる「危険物取扱者(危険物乙4)」があると、資格手当てがつく場合もあります。
入社後に「大型特殊自動車運転免許」「けん引自動車運転免許」「フォークリフト運転技能講習修了証」「高所作業車運転技能講習修了証」などの資格に挑戦すると、さらに仕事の幅が広がるでしょう。
航空業界や航空機などに興味があり、空港で働いてみたい人はもちろんですが、業界に興味がなくても機械を整備したい、大きな機体を誘導してみたいといった機械に興味がある人にもおすすめです。また、グランドハンドリングに関わらず、CAやパイロット、グランドスタッフなど空港で働く仕事はそれぞれの部署と部署のコミュニケーションが安全で快適な運行を行うために重要です。チームワークを大切にし、仲間と協力することができる人も向いています。
その他にも、天候不良や遅延によって急な整備や業務変更が起こることも日常茶飯事。そのような場合にも臨機応変に対応できる柔軟性と冷静さを持っていると安心して仕事ができるでしょう。
LCC(格安航空)が登場したことや、国内旅行・海外旅行ともに利用客が増加していることに伴い、便数を増やして対応している航空会社も多くなっています。そのため多くの航空系企業では採用に力を入れ、人員を募集しています。こういった業界の流れがあるため、グランドハンドリングも引き続き需要があると予想できます。